皆さんは大人になってから京都に行きましたか?
日本人だけでなく外国人旅行客にも大人気の京都。有名な観光地であるがゆえに人も多く、見かけるお土産屋さんに売っている物はどこも同じような物だったり。そんな中、私が目指すのはもちろん「大人の京都」。魅力的な雑貨屋さんやカフェがある寺町通りはおすすめです。
寺町通りはどんな通り?
ある程度の年齢になると、どこのお土産屋さんにでも売っているような雑貨は欲しくありません。少しだけ高くても良いモノを買いたい。カフェでゆっくりとお茶を飲みたい。
そんな希望を叶えてくれるのが寺町通りです。

寺町通りの地図
寺町通りは京都市の南北方向に通っている通りのひとつ。新京極あたりにも古くからの素晴らしいお店がありますが、いかにも商店街というイメージ。観光客が多いエリアで落ち着きません。
上の地図で言うと、 京都市役所あたりから北の方向に向かう部分。御池通から丸太町通までの間がおすすめ。(「現在地」と書かれている部分の上にあたります。)観光客向けのお店ではなく、本物を扱っているお店がある通り。このあたりは商店街というほど店が立ち並んでいるわけではなく、むしろ静かなエリアです。
それだけに敷居が高い雰囲気はあります。 ゆっくりお散歩して、美しいディスプレイを外から眺めるだけでも目の保養。

寺町通りにある老舗
京都に限ったことではありませんが、雑貨などそのデザイン自体に価値があるので、店内の商品の写真を撮ることはためらわれます。
掲載している写真は、お店の外から撮影したものです。お買い物をした時に、許可を得て店内を撮影させていただいた場合もあります。
寺町通りの素敵な雑貨屋さん
それでは寺町通りの素敵なお店をご紹介しましょう。
京都ペレット町屋ヒノコ
まず最初は『京都ペレット町屋ヒノコ』。木と火のある暮らしを提案しているアンテナショップ。単なるお店ではなく、イベントなどを通して、環境にやさしい生活を提案しています。

京都ペレット町屋ヒノコ
「京都ペレット」という言葉が何を意味するのか、私はそれまでまったく知りませんでした。
「京都ペレット」とは、京都産の原料だけを使って作られた「ペレット」。「ペレット」の原料は100%天然の木。間伐材を粉状にしたあとに、乾燥し圧縮して円柱状に固めたのが「ペレット」です。
「ペレット」を燃やした時に排出される二酸化炭素は、元はと言えば、木が育つ課程で大気中から取り込んだもの。大気中の二酸化炭素を増加させているわけではありません。
つまり、「ペレット」を使うということは、資源の有効活用という点だけではなく、二酸化炭素排出量という面で見ても利点があるのですね。
この「ペレット」を燃料としたストーブやグリルなどがあることも、今回初めて知りました。

京都ペレット町屋ヒノコの店先
この日の店頭には、オリジナルの「うちわの絵付け体験」の案内が出ていました。
ADORN アドーン
次にご紹介するのは、装身具と布のお店『ADORN アドーン』です。
もうお店の外観を見ただけでため息!素敵なモノがいっぱいのワクワクするお店です。

ADORN アドーン
「寺町通りに来てよかった!」と実感した瞬間。

ADORNのウインドウのディスプレイ
ウインドウに飾ってあったのは、少数民族が作った手刺繍をミニ額で仕上げた作品。
店内に入って正面にはアクセサリーが。右側には、美しい刺繍などが施された装飾用のリボンが壁一面にぎっしりと並んでいます。オーナーご自身が買い付けに行かれて選び抜かれたお品なんですね。このリボンを使ってインテリア雑貨など何か作ることのできる器用な人が羨ましい!
中近東、インド、中国、アフリカなど様々な国から集められた数多くのアイテム。どこか素朴で懐かしくなるような、素晴らしい色合いの布や生活雑貨たち。
いろいろな国々から来ているのにお店がひとつの作品のようにまとまっているのは、やはりセンスなんですね。
Twitterにあるように、このお店で一生物の素晴らしいショールに出会えた方もいらっしゃるんですね。本当に素敵!

ADORNの店先で売られているブロックプリントの木版
そして私はと言えば、気になったのが店頭にあった数々の木でできた何か。お聞きしてみたところ、インドの伝統技法である「ブロックプリント」のスタンプだそうです。
手彫りの版の大きさは様々。インドの職人は、インクをつけて生地にすき間なく押し続けていくんですって。出来上がった布には柄のずれやかすれがあって、それがまた素朴な味わいを出しています。

ADORNで購入したエコバッグ
この木製のスタンプで作られた可愛い色の布バッグを購入しました。折りたたむと普通のエコバッグより小さくなるので、バッグの中に予備として入れておくのに便利。申し訳ないほどのお安い価格のお買い物で本当にごめんなさい。今回は一生物を選ぶことはできなかったけれど、旅の思い出になる実用品と出会えました。
このバッグは極めてシンプルなプリントですが、インドのブロックプリントの技術は素晴らしいです。長い布に、いくつもの木版を使って様々な色を押し続けていくわけですからね。
近年、その技術を受け継ぐ人が減っていると聞いて、残念に思いました。そんなお話をしてくださったお店の女性がまた魅力的な方でした。
今まで自分が知らなかった手仕事の世界に触れられるのは、旅の楽しみのひとつです。
petit à petit プティ・タ・プティ

petit à petitのショーウインドウ
『 petit à petit』は、オリジナルの布地を使った雑貨やインテリアファブリックのお店です。

petit à petitの店先の案内
京都で生まれ育った2人のデザイナーによる、オリジナリティあふれる作品たち。ここでお気に入りのバッグやポーチが見つかれば、自分のためのいい京都土産になりますね。

petit à petitで売られているスマホケース
スマホのケースは、iPhoneもAndroidも各種サイズが揃っています。
グランピエ 丁子屋
京都の町家づくりの味わいある家屋に、各国の家具や布製品、雑貨が並ぶ『グランピエ 丁子屋』。

グランピエの外観
お店の外にはかごバッグなどが下げられていて、この日はナチュラル雑貨のお店のような雰囲気でした。
ところが扉を開けてみたら、イメージしてなかった世界が!入ってすぐのところにはスペインの素朴な器が並べられていて、その奥には数多くの素敵な雑貨たちがぎっしり。

グランピエの入り口付近
スペインやルーマニアの器、インドの布製品やブロックプリントの木型、ウズベキスタンの布、中近東のキリム・民具、中南米やアフリカのものなど、様々な国からやって来たアイテムが迎えてくれます。
中でも印象に残ったのは、ウズベキスタンの「スザンニ」と呼ばれる刺繍を施されている美しい布でした。
「スザンニ」 の語源は、ペルシャ語の「針」。ひと針ひと針ていねいに刺して仕上げたことを表しているのでしょうね。中央アジアの遊牧民族の暮らしを想像させるような素朴なものでした。
なお、「グランピエ」は東京・青山のキラー通り沿いにもお店があります。
京都アンティークセンター
複数のアンティークショップが入った 『京都アンティークセンター』は、イギリスなどではよく見かけるタイプ。日本では個人のアンティークショップは見かけますが、いくつかのお店が入っているモールを見つけたのは初めてでした。!
イギリスの田舎町を車で旅行しながら、あちこちのアンティークフェアやショップを訪ねた日々を懐かしく思い出しました。

京都アンティークセンター
陶磁器、ガラス製品、漆器、アクセサリーなど。 京都のアンティークだけでなく、ヨーロッパのアイテムも幅広く取り扱いがあります。
スタッフの方との情報交換に夢中になっていて、写真は上の1枚だけしか撮っていませんでした。
アンティークのお店はなかなか入りづらい雰囲気の場合が多いのですが、こちらは10店舗ほどが集まっているモールなので気軽に入れます。
アンティークというよりは、ヴィンテージといえるお手頃価格のモノもたくさん。見るだけでも楽しめます。
寺町通りの散策を楽しむ
寺町通りは、商店街と呼ぶほどお店がぎっしりと並んでいるわけではなく静かな地域です。
今回いろいろなお店を訪ねて感じたことは、販売しているひとつひとつの作品をお店の方がとても大事に思っていること。アンティークであったり、手仕事の作品であったり。思いのこめられた作品たちです。

寺町通りの老舗のショーウインドウ
旅行する人は、観光客が少なくて魅力あふれる場所に行ってみたいと思います。
一方で、ネットの情報が行き渡ってしまう今日では、そこで暮らす人々の生活が脅かされるという話も聞きます。
こうして情報を発信するひとりとしては苦しいところですが、本当の意味での大人として、寺町通りの散策を楽しめるようになりたいと思いました。
たくさん歩いたあとは、1717年創業『一保堂』で美味しいお茶がおすすめです。

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