京都の食文化
観光客のひとりである私が、京都の飲食店について語るなんて厚かましいのはよく承知しています。
観光客であるからこそ京都の食文化への関心は強く、今回の旅行でも何を食べるかはとっても大事なことでした。

旬の野菜を中心にして、美味しい出し汁を使った健康的な薄味のお料理。60歳近くになったからこそ、そんなお料理をありがたく感じています。
「おばんざい」と呼ばれる季節の食材を使った家庭のおかず。野菜、乾物や大豆の加工食品などを使って作られる日常のおかず。
乾物を水につけてもどすなんて作業、もう何年もやっていません!
京都の文化には長い歴史があって、食文化だけでなく様々な意味で奥行きが違います。日々丁寧に暮らしているからこそ、居心地の良いお店が生まれるのではないでしょうか。
実は今回の京都旅行は、外国からのお客さまの観光案内が目的でした。そのため旅行の最初ほど、外国人受けするようなレストランに行ってます。
観光案内を終えたあとは、私だけ京都に延泊。少しでも地元の人が行く安くて美味しいお店に近づいてみたい、という思いでした。
京都の方にとっては、最近の観光客の多さ、マナー、交通渋滞など、きっと思うところはたくさんあるかと想像します。
それでもいつも笑顔で迎え入れてくださった方たちに感謝します。
実際に行ってみた京都のレストラン
富美家
先斗町にある有名な京料理店です。鴨川を間近に眺めながらの川床料理を味わうのは初めてのこと。ゆったりとした時間を過ごすことができて、いい経験になりました。
暗くてあまりよく撮れていませんが、京懐石コースの一部をご紹介します。




ほんの一口ずつ美しく盛りつけられた京懐石。外国からのお客さまを連れていない限り、私には無縁だったお店ですね。
夜より昼の方が景色も良く、お料理もお手頃価格なのでよかったのかもしれません。
À PEU PRÈS( ア・プ・プレ )
閑静な住宅街にある古民家で味わうフレンチ。フランスで5年間修業された日本人女性シェフによる繊細なお味です。
正直、自分好みのお料理でした。年齢的に、バターや生クリームをたっぷり使った重いフレンチはもう苦手。こちらのお店では良い素材を生かして丁寧に料理されていて、嬉しかったです。
私も数年間フランスに住んでいたことがあるので、フランス料理に対する過剰な期待や憧れは持っていないつもりです。だからこそ、いいお店だと自信を持っておすすめできます!
前夜に会席料理を食べた外国人ゲストは、「日本料理とフランス料理は似てる!」という感想。シェフの作るフレンチはお味も見た目も洗練されているので、会席料理と近い印象になったのかしら?
この日のディナーは5000円のコースに。アミューズブーシュ、前菜一品、スープ、主菜二品、デザート一品。重た過ぎず、私には程よいボリュームで、大満足のコースでした。(アミューズブーシュとスープの写真は撮っていません。)
前菜はサーモンマリネのサラダのフィユテ仕立てを選びました。これ、最高ですね!パイ皮に山羊のチーズ、サーモン、ハーブなどが素晴らしく調和してます。

5000円のコースの前菜にこれを出していいの?と思うほどのレベルの高さです。

主菜二品はお魚と鶏肉料理。どちらも皮がパリッと焼けていて美味!お魚料理は決まっていて、お肉料理はいくつかのお料理の中から選べました。ここで赤ワインのボトルへ。

チーズの盛り合わせと迷いましたが、チーズケーキをオーダー。

今回のメンバーのひとりは数年前にこの店を訪れたことがあるのですが、その時のゲストが食べられなかった食材までお店の方は把握していらっしゃいました。記憶しているにしても、記録しているにしても素晴らしいことです。
食後は皆でいっしょに写真を撮って、外までお見送りくださり・・・しばらく歩いて振り返ると、まだ私たちの姿を見送っていらっしゃったのには驚きでした。ごちそうさまでした。
いけまさ亭
錦市場の中のとても庶民的なお店です。私はなんと、夜にひとりで飲みに行ってしまいました。勘頼りで入りましたが、ここは「当たり」でしたね。
個人的な意見ではありますが、京都の飲食店は、「観光客向けのチェーン店」あるいは「高くて美味しいお店」の2つのどちらかなんです。
観光客には、本物の家庭の味であるおばんざいを食べる機会はなかなかありません。こちらのお店は八百屋さんが経営していて、野菜たっぷりの美味しいおばんざいを良心的な価格で提供してくれます。

写真はありませんが、賀茂茄子の柚子味噌焼きもオーダーしました。柚子味噌まで自家製。茄子はもちろん、柚子味噌が美味しくて!味噌が発酵食品であることを実感させてくれる味わいです。

お魚の西京漬けを焼いてもらいましたが、しっとりと程よく脂ものっていて美味しかったです。
都野菜 賀茂 烏丸店

最後にご紹介するのは、『都野菜 賀茂 烏丸店』。京都の農家さん達が育てた新鮮な美味しいお野菜をたっぷり食べられるビュッフェ形式のお店です。

私が行ったのは平日のランチ。なんと、900円で食べ放題ですよ!このお値段で健康的なランチが食べられる、京都の人が羨ましいと思いました。
安心できる最高品質のものを低価格で提供するため、様々な努力をされています。食券制であったり、トレーや食器は自分で下げたりと、ルールがあります。至れり尽くせりのサービスを期待してはいけません。お店の方針に納得して美味しいものを安くで食べたい人なら、満足できるはずのおすすめ店です。

控えめに盛り付けてみましたが、その後さらにおかわり。久しぶりにカレーうどんまで食べてしまいました。
更科 本店
京極通りにある『更科 本店』は気取らないどこにでもあるお店に見えますが、きしめんがとても美味しかったです。
ふっくらとした油揚げがのっている「きつね」は650円でした。写真も撮っていませんが、私にとっては忘れられない京都のお店です。
京都のカフェに興味のある方はこちらにどうぞ。

京都でまた食事がしたい!
実際に自分が食べたお店の中から印象に残ったところをご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
お金をたくさん出せば美味しいものを食べられますが、京都で暮らす人が外食時に食べるお店に少しでも近づいてみたいという思いでお店探しをしました。
身体にいい美味しい食事をしたいものですね。
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